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最近は少しずつ知られるようになってきた「傾聴」という言葉。

ただ聞くのではなく意識して聴く、相手に寄り添って聴くようなイメージの言葉ですが、特にカウンセリングの場面では重要視される姿勢です。傾聴ができていないと相手との信頼関係が築けないとも言われています。

そんな傾聴についての本はまだ読んでいなかったので、元はカウンセラーを目指していたなら読んでおくべきだろうと思い、読んでみた。

個人的感想・気づき

・なんとなく全体の本の印象としては、とてもキレイにまとまっているという印象で、心の成り立ちから実際に対応が難しい場面に直面した時の対応の仕方まで、論文のように丁寧に説明されているなと思った。心理学を学んでいる大学生などには一度読んでみてほしいという印象の本。

・この本を読んでみて改めて、子どもの時の親の接し方がどれだけ本人の心のあり方を決めていってしまうのかも実感した。本文にも詳しく書かれているが、両親がどれだけ自分のことを無条件で愛してくれているかどうかの実感は、子どものメンタルの安定に大きく関わることも書かれている。しかし完璧な親がいないことも事実だし、完璧な子育てが存在しないことも書かれている。私自身もその難しさは常に感じているのだが、完璧な人間はこの世に存在しないだろうのに、完璧な子育てなんてできるはずがないとも感じている。しかし、意識的に子どもになるべく寄り添って子育てすることは可能な気もする。人間はこうも難しい生き物なのかと痛感する内容でもあった。

自己否定をしがちな人にとっても読んで参考になる内容がたくさんあると思う。なぜ子どもは親の影響を強く受けるのか、親から離れて独立しても他人との関わり方でどうしてもそれが強く影響してしまい、他人との関わり方に問題を持ちやすいことなど、ふわっとした言葉で癒やす内容ではないが、どんな親の対応が子どもに強い影響を与えてしまうかが論理的に書かれており、理屈で物事を理解するのが好みな人にとっては理解しやすい内容になっている

・そのうえで、傾聴する時の具体的な注意点や心の持ちようなども、後半に詳しく説明されており、この一冊をお守りにして人の話を聴く練習をしたら、自分の傾聴力が養えそうな一冊となっている。人の相談をよく受ける人や、助けになりたい人がいる人にもオススメの一冊だ。

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