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昔も今も不安が多い世の中だとは思うが、特に昨今は世界中の情報がスマホで手に入る世の中なので、自分とは直接すぐに関係の無いことでも(間接的にはいつか関係してしまうかもしれないが)、不安になる要素がたくさん散らばっている世界だと思う。

不安をなくすではなく、頭をゆるませるという視点で書かれているのが、この本の手に取りやすさにも繋がっている気がする。

個人的感想・気づき

実践的な「心の中が少し軽くなる5分間エクササイズ」から、どうしてうつの時など症状が酷い時に休むのが大切なのかなど、全体的にかゆいところに手が届く感覚で内容が構成されていた。不安のエスカレーション(不安が拡大していくプロセス)をネズミに例えて、闇堕ちネズミに例えているところは、ユーモラスもありつつイメージで理解しやすいのでとても面白い発想だと思った。

・この本の中で一番私が心に残った内容は、「不安がりやさんは、他人は自分を攻撃する、世の中搾取的、未来は危険がいっぱいだ、自分はダメだ、という4つの思考の偏り(信念)を持っている」という内容だった。正直な話、私はこの思考を持っていると感じている人間なので、それが思考の偏りだという内容を読んだ時に、「その思考が間違っている」と言われている気がして、少しイヤな気持ちになった。しかし全体を読み終えた今考え直してみると、「他人は自分を攻撃することもあるししないこともある、世の中はその時の状況や人によって対応がコロコロ変わる、未来は危険も可能性もある未知なもの、自分はそれほどダメなわけでもない」と言いかえることもできることに気づき、最終的に思考の偏りが間違いなのではなく、その白黒思考に陥っている自分の状況を知って、自分の疲れを癒やしてあげることが大切なのだと理解した。人生のほとんどが思考の偏りの中で生きてきた私にとって、この感覚を変えることはかなり難しいとも感じているが、たしかに他人に助けられたり楽しい未来があったりするのも現実なのだ。それをすべて無かったことにするのも、自分が楽しかったり嬉しかったその時の気持ちを否定するようで、よくないことだなと気づくきっかけにもなった。

「まず苦しまなければならない」という公式が心の中に出来上がってる場合がある、という文章も心に刺さった。楽しむために苦しまなくてもいいのだという文章は、私にとっては目からウロコで、新しい視点を得られた気がした。

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