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この著者の本は発達障害や愛着障害についての本が多く、今までの著書も読んでいたのでこちらも読んでみたが、正直反感を買いそうな内容になっている気がした。
詳細は下記の個人的感想・気づきに書くが、母親の責任が重すぎる内容なのと、生まれ持っての気質が激しすぎて手に負えずうまく育てられなかった可能性に触れていないことが、個人的にとても気になったのだ。
下記の感想はあくまでも個人的感想だが、発達障害当事者としてもかなりモヤモヤが残る読後感となった。
個人的感想・気づき
・まず第一に率直な感想として批判になってしまうことを許してほしい。この本の前提として「発達障害」を持って産まれてこなくても、親(特に母親)の育て方によっては子供が発達障害もしくはそれに似た症状を発症することがある、という内容があると読み取った。たしかにその可能性は否定できないが、著者はその育て方に重きを置いているように感じた。しかしこれは、著者がどんなに「その後の育て方(接し方)で改善ができる」と取り繕っても、その前提としている内容が、子供を育てる者には重責に感じる内容過ぎて、あまりフォローになっていないように感じてしまった。
・愛着ホルモンも呼ばれるオキシトシン。その働きが、幼い頃の環境によって変わることは本に書いてあるとおりだ。それも著者は養育環境の影響が大きいと書いている。全体を通してとにかく母親のような養育者の影響がとても大きいと書かれているのだ。「母親からの関与でしか得られない愛着」に近い表現もあった。やはり母親の責任が重すぎるように感じたのだ。母親が安定した気持ちや態度で子供に接することができるようになるには、その親も、その周りの人間も、母親に十分なサポートをしていなければ、母親も障害無く安定した愛着を持って子供に接することなど到底無理だ。現実では、そんな余裕のある状況などほとんど無いと思われる。しかし「そうしないと子供があなたのせいで発達障害のような症状で苦しむことになるかもしれません」と言われているように感じてしまう。裏を返せば「育て方に気をつけていれば将来発達障害という診断は避けられるかもしれない可能性がある」と言いたいのかもしれないが、どちらにしても母親などの養育者にかかる責任が計り知れない。著者の言い分も理解できないわけではなかったが、性別的に女性である自分には、なんともモヤモヤが残る読後感だった。著者が発達障害を個性ではなく、治すべき病気と捉えている雰囲気も強く感じたからかもしれない。
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