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SNSを徘徊していたところ、この方が作文で文部科学大臣賞を受賞し、作文の一部が抜粋で紹介されていたのを見たのがきっかけで、この本を購入した。
初めて著者の文章を読んだ時が衝撃で、その勢いのまま購入した形だ。
以下感想をまとめてみました。
個人的感想・気づき
・私は自閉スペクトラム症の診断を受けている。診断を受けたのはこの文章を書いている今のほんの数年前で、いわゆる大人の発達障害当事者である。それまで自分が発達障害だということは考えもしなかった年数が長いし、わかってからの年数のほうがはるかに短い。そんな私でも、著者の書いている内容に深く共感する部分があったりして、読んでいて感極まって涙が出た部分もあった。
・まず著者のすごいなと感じるところは、「わからないことがどうわからないかの解像度が非常に高く、読者側にそれがわかりやすく伝わってくるところ」だと思う。言葉選びが的確な気がしていて、感情に直接響いてくるような表現が多いなと感じた。あまり難しい言葉を乱用していないことも、理由のひとつかもしれない。しかし個人的には感情にダイレクトに伝わる分、読み進めるのにエネルギーが必要だった。だがそれがこの本の魅力だと思う。
・特に共感した部分を挙げてみたい。「会話は常に推測し続けて、答えを探り続ける。」「わたしというコンピュータのオペレーションシステムは、自閉症バージョンだ。(中略)人間のこととして考えると難しいけれど、コンピュータに置き換えればわかる。」このあたりの文章は深く共感した。私自身が感じていることをうまく言葉にしてくれている、と感じるほどだった。やはり私の中の発達特性が、そう思わせるのだとも思う。
・最後の章「これからのことについて」が、私が読んでいて涙が出てしまった章だ。私も未来のことについて何も考えられず、すべてが闇の中のようで死んでしまいたい時期があったが、その時の不安を言葉にしたらこのような感覚かもしれないと思った章だった。参考になった文は「逃げるのは、理想と違う自分を許すこと。」という一文だった。どうしても自分の理想が高くなりがちで、うまくいかない自分を責めそうになる。そんな時の自分に言い聞かせたい一文だと思った。
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ここまで読んでくださりありがとうございました。